2025年、ドナルド・トランプ大統領が再任されたことで、再びアメリカの税制改革が注目を集めています。中でも「法人税の追加減税」は政権の主要公約のひとつであり、与党・共和党内でも優先的な議題として議論されています。

この政策の実現可能性をめぐり、予測市場サイト「Polymarket」では、法人税減税に関する市場が立ち上がり、2025年3月末時点で「実現する確率はおよそ44％」とされています。

この記事では、トランプ政権の税制方針、議会での動き、予測市場やSNSの反応、投資家が注視すべき観点をわかりやすく解説します。

背景：なぜ法人税減税が再浮上しているのか？

トランプ政権は2017年の「Tax Cuts and Jobs Act」で、法人税率を従来の35％から21％に引き下げました。再選後のトランプ氏はこの流れを加速させる意向を表明し、2025年1月の就任演説でも「米国を再び投資に最適な国にする」と語りました。

共和党内では、現在の21％をさらに20％または15％まで引き下げることが検討されています。3月時点では、共和党主導の下院予算案に「最大4.5兆ドルの減税枠」が盛り込まれ、2025年中の法案提出が視野に入っています。

一方で、上院の一部共和党議員や保守系財政団体からは「財政赤字拡大を招く」として懸念の声もあり、減税幅や時期については今後調整が必要とされています。

予測市場の反応：Polymarketの価格動向

Polymarket上に設置された「Will Trump cut corporate taxes in 2025?」という市場では、2025年末までに法人税率が21％を下回る法案が成立するかが問われています。

2025年3月時点で、YES（減税実現）の確率は約44％に設定されており、年初の60％からやや後退しました。これは、議会内の不透明感や、政策実現に必要な合意形成の難しさを織り込んだ結果と見られます。

一方、取引高は累計25万ドルを超えており、市場の注目度の高さがうかがえます。

SNSの議論：賛否両論と政治的インパクト

X（旧Twitter）やRedditなどでは、法人税減税をめぐる議論が過熱しています。保守派の論客や一部の実業家は「減税による成長促進」を主張する一方、民主党支持者や中間層の一部からは「大企業優遇ではないか」との批判が上がっています。

このようにSNS上の世論は分断されており、政治的にも「中間層向け減税」とのバランスをどう取るかが今後の焦点となります。

投資家への影響：注目すべき3つのポイント

法人税減税が実現すれば、企業の税負担が軽減されるため、EPS（1株あたり利益）の上昇が期待できます。とくに米国内売上比率が高い企業には追い風となり、S&P500企業の業績予想にも影響を与える可能性があります。

一方で、減税に伴う歳入減は財政赤字拡大を通じて、長期金利の上昇やインフレ圧力をもたらすリスクもあります。これは企業の資金調達コストの増加や、株式バリュエーションへの逆風として作用する可能性があります。

投資家にとっては、「企業収益の押し上げ」と「金利上昇リスク」の両面を踏まえた戦略的な判断が求められるでしょう。

まとめ：市場は「現実的な可能性」と見ている

法人税減税はトランプ政権の看板政策の一つであり、2025年の経済運営のカギを握るテーマです。Polymarketではその実現可能性が44％前後と見られ、市場は一定の現実性を織り込んでいます。

投資家にとっては、単なる期待感ではなく、政策の具体的な進展と議会動向を注視しながらポジションを構築する戦略が重要です。今後の確率変動や市場の反応を継続的にチェックしていきましょう。